最近、さまざまなオンラインの占いプラットフォームがリリースされており、
いつでもどこでも手軽に占いを受けることができるようになりました。
その反面、占いをやりすぎてしまう「占い依存」が注目されています。
占い依存になると、自分ではどうしても占いをやめることができない状態になり、生活に支障が出てしまいます。
果たして、このような状態になってしまう「占い依存」は病気なのでしょうか?
この記事では占い依存が病気かどうか気になっている方に向けて、
- 占い依存は病気なのか
- 治療が必要なのか
について占い依存を克服した経験のある心理カウンセラーの知見をお話ししたいと思います。
この記事を書くうえで参考にした図書:僕らはそれに抵抗できない(アダム・オルター)(amazonに飛びます)
占い依存は病気とは認められていない
結論から申しますと、占い依存は病気とは認められていません。
なので、細かいことをいうと占い依存「症」というのは間違いです。
精神疾患はアメリカ精神医学会の作ったガイドライン「DSM-5」をもとに病気の診断をすることが多いのですが、占い依存はここに定義がされていないんです。
つまり診断基準がないので、「占い依存症」を病気として診断をすることは難しいのです。
とはいえ、他の依存症と共通するところも多くあるというのが占い依存。
次からは依存症の共通点を見ていきましょう。
依存症の共通点、定義は?
依存症の定義は、実はこれといった定まっているものがないと言われています。
その中でも、共通点があることが知られています。
それは、
「自分の意志ではなかなかやめられない」
「目先の利益がありつつも、長い目で見ると不利益がある」
ということです。
- 「自分の意志ではなかなかやめられない」
- 「目先の利益がありつつも、長い目で見ると不利益がある」
占い依存であれば、占ってもらうことで目の前の不安は癒されますが、長い目で見ると様々な不利益がありますね。
たとえば
- 人生の決断を全て占いに頼っている
- 借金をしてまで占ってしまう
- 身近な人とコミュニケーションを取らなくなる
など、生活になんらかの支障が出ています。
ただの占い好きの人と依存との違いは、この点にあります。
依存症はごく普通のこと??
ちなみに、「自分でやめられない」「長期的に見て不利益があること」は色々なことに当てはまりそうですね。
- ネットフリックスがやめられない
- SNSを見るのがやめられない
- 甘いものを食べすぎてしまう・・・
などなど、私自身も自分の生活を振り返って、何個かは「依存」しているなと思うものが思い当たります。
ならば、これらが全て依存症=「病気」とすれば良いのかと言われると、果たしてそうなのでしょうか?
あるイギリスの研究では、「4割を超える人が過去1年間で何らかの行動に依存していた」との結果がでたようです。
こうなると、依存というのは人の本質の一部なのでは?とも思えます。
実際、依存症は病気ではないと主張している研究者もいます。
依存症は意思が弱い人の病気だと考えられがちですが、依存症をよく知る専門家たちはそうではないと言っています。
すでにビジネスの方が人の行動や心理をたくみにあやつって依存症になるように作られており、
それに抗うのは意思の強さだけでは難しいという現状がありそうです。
占い依存に治療は必要なのか?
さて、話を占い依存に戻しましょう。
ここまでの話でお気づきの方も多いかと思いますが、
占い依存はまだ病気とは認められていないため、「治療法」というものはありません。
趣味の範囲で占いを楽しめている方なら、特に問題はありませんね。
しかし、占いをすることで自分の人生が辛いものになっている自覚がある方は、
どうにかして占いに依存している状態を変えたい、と思われることでしょう。
では、どうやったら占い依存を克服できるのでしょうか?
インターネット依存症の治療法から学ぶ
同じような行動に対する依存症の治療法として「インターネット依存症」で実際に使われている方法をご紹介します。
- デジタルデトックス
- 環境を変える
- カウンセリングを受ける
デジタルデトックス
スマホを遠くに置いておき、すぐに使えないようにすることです。
これは占い依存でも使えるのではないかと思っています。
なぜなら、現在は占いをスマホで受けるのが一般的になってきているから。
スマホで占いをすると、さらに利用履歴からあなたのSNSでも占いの広告が流れるようになります。
したがって、スマホを見ているあいだはほぼずっと占いのことを意識せざるを得ないのです。
いつも手元にあるスマホを玄関などの離れたスペースに置くと、占いを意識することが減るため、受ける回数も減らせる可能性があります。
環境を変える
依存は、それを使用していた時の状況と結びついているという説があります。
例えば、会社のストレスを癒すためにインターネットを利用していた人は、その会社とインターネット依存が密接に結びついています。
その場合、転職したり引越したりして環境をガラッと変えると依存克服に役立つ、という考え方です。
ある人は依存の克服治療のため施設に入所して、依存が克服できたので元の環境に戻ったところ、再発してしまったという例もあるそうです。
私自身占い依存を克服できたのは、会社を休職し、引越しをしたことが大きいと思っています。
そこまでするのは難しいと思われるかもしれませんが、本気で変わりたいなら検討してみる価値はあると思います。
ただし、元の環境に戻ると依存も再発してしまう可能性があるので、気をつけてください。
カウンセリングを受ける
カウンセリングは依存の克服に有効だと考えられています。
具体的には、「動機付け面接法」というカウンセリングのやり方が依存症の治療法として使われています。
カウンセリングでは主に以下を話していきます。
- やめようと思っているかどうか
- なぜやめられないのか(どんな欲求が満たされるのか)
- これからどうやってその欲求を満たしていくか
もちろん、占い依存でもこのカウンセリング方法は有効だと考えられます。
これに加えて、占い依存の場合には自分で人生を決めていくのを恐れる人も多いため、
私のカウンセリングでは自分がやりたいことに目を向け、少しずつ実践していくことを目標にしています。
詳しくはこちらの記事を見てみてくださいね。
まとめ
占い依存はまだ病気とは認められていません。
従って、確立された治療法などはありません。
ですが、インターネット依存症の治療法を参考にすると、
- デジタルデトックス
- 環境を変える
- カウンセリングを受ける
など検討する価値はありそうです。
もし本気で占い依存をやめたいのなら、上記を試してみてくださいね。