コロナウイルスの流行にともない、現在は過去にないほどの占いブームが巻き起こっていると言えるでしょう。
様々なオンラインの占いプラットフォームができ、自宅にいながら手軽に占いが受けられるようになりました。
その反面、占いでなんでも決めてしまおうとする「占い依存」や「占いジプシー」状態の人も見受けられるようになりました。
占ってもらう時は不安が和らぐものの、すぐまた不安になり、常に占いを利用しないと落ち着かない。
お金もかかるので生活費が苦しくなってしまう。そんな声もあがっています。
この記事では、「占い依存」「占いジプシー」とは、そもそも何なのか?
また、占い依存・ジプシーがどうすれば占い沼から抜け出すことができるのか?
詳しく解説していきたいと思います。
元占い依存の心理カウンセラーが解説していきたいと思います!
占い依存とは何か
まず、占い依存とはいったい何なのでしょうか。
占い依存にはこれといった定義がありませんが、
「占いに依存している状態」=「占いにたよりきった状態」のことを言います。
占いに頼り切った状態とは、つまり「占いをせずにはいられない状態」です。
さらに、占いをすることで、目先の利益がありつつも、最終的には害の方が大きい結果になる場合に限ります。
つまり、何度も占っているただの占い好きの人は占い依存とは言いませんが、
占いをすることで生活に支障が出ていたり、最終的に気分が落ち込んでしまうようなら占い依存といえるでしょう。
具体的には
- いつも占いをしていないと不安になってしまう
- 占いをすることしか楽しみがない
- 頭の中が占いのことでいっぱいで、他のことが考えられない
- 占い師の言うことや、占いの結果しか信じられない
こんな状態です。
占いが好きなだけで「占い依存」とは言いません。
占い依存は病気なのか
占い依存は病気なのでしょうか?
結論から言うと、2021年8月現在、明確に病気とは認められていません。
精神医学の病気には診断基準があるものですが、まだ診断基準がつくられていないという意味です。
(アメリカ精神医学会が定めたDSM-5という診断基準にはギャンブル、インターネット、アルコール、薬物、などについては記載がありますが、占いについては記載がありません。)
したがって厳密に言うと占い依存「症」という言い方は誤りです。
しかしながら、
- やめたいのに自分でコントロールできなくなる
- 生活に支障が出るのにやってしまう
など、病気と認められている他の依存症と共通する部分が多いのも事実です。
特に、依存症のなかでも行動に関する依存症:行動嗜癖(こうどうしへき)の仲間に入ります。
行動嗜癖とは、アルコールや薬物などの物質ではなく、ある「行動」に依存してしまうことで、
例としては、ギャンブル依存症、インターネット依存症などがあります。
買い物依存、仕事への依存、恋愛への依存なども行動への依存ですが、
占いと同様、まだ診断基準がありません。
詳しくは別の記事で解説予定です。
占いジプシーは占い依存と違うのか
占い依存と同じような意味で、「占いジプシー」という言葉も聞くようになってきました。
占い依存とはほとんど同じような意味ですが、微妙なニュアンスの違いがあります。
占いジプシーの特徴は、「同じ相談内容を複数の占い師にみてもらうこと」です。
そもそもジプシーというのは移動民族のことで、様々な地域を渡り歩く者という意味でよく使われます。
占いジプシーは、様々な占い師を渡り歩く者、といえるでしょう。
占いジプシーによくあるのは恋愛相談で、「彼の気持ちを占ってほしい」というものです。
一人の占い師に占ってもらっても、確証が得られず、他の人にも占ってほしい気持ちが出ます。
他の人からは非効率なことをしているように見えますが、本人としてはそんなことは関係ありません。
それほど真実が知りたいという強い気持ちのあらわれなのです。
占い依存度をチェックしてみよう
それでは、実際に占い依存度をチェックしてみましょう。
あなたは以下のうち当てはまるものがいくつありますか?
- お金がないのに借金をしてでも占ってしまう
- 占いをすることで他者とのコミュニケーションに支障が出る
- 占いでしか自分を癒すことができないと感じる
- 人生の決断を全て占いに任せてしまい、自分のやりたいことができていないと感じる
- 占い結果や占い師のアドバイスに従うことに義務感を感じてしまい、苦しくなる
- 占いしか信じることができない
上記のうち、ひとつでも当てはまれば占い依存と言えます。
一方、どんなに頻繁に占っていても、気分が良くなるだけで長期的に何の害もないようなら、「依存」と捉える必要はありません。
占い依存になりやすい人とは
まず言っておきたいことがあります。
占い依存は個人の特性だけでなるものではありません!
よく、「占い依存は、自分に自信がない人、自分で決定できない人がなるものだ」という人がいますが、
そんなことはありません。
その人の置かれている環境なども大きく影響します。
共通するのは、不安を抱えている時に、占いで癒してもらった経験がある人です。
その上で、なりやすい人というのをあげるとすれば、
- 完璧主義の人
- 人を頼ることが苦手な人
ですね。
こちらの記事ではその他の環境の要因も詳しく解説しています。
占い依存を克服し幸せになるには
では、占い依存を克服するためにはどうすれば良いでしょうか?
3stepで克服できます
- 自己否定をやめる
- 自分を見つめる時間を作る
- 自分の決断に自信を持って実行する
占い依存になると、
- 占いでしか自分を癒せない
- 自分で決めるより占いに決めてもらった方が確実だ
という考え方になりがちです。
しかし、それでは本当の意味で幸せになれません。
なぜなら、幸せとは「自分の行動に納得していること」だからです。
そのためには、占いではなく、自分の心が納得して行動を決めなければなりません。
自分の心を置いてけぼりにしないことで、占い依存も克服でき、幸せも感じることができるのです。
詳しくはこちらの記事で克服の手順をご紹介しています。
また、最初の一歩で一番大切な考え方として「自己否定をやめる」ことが必要です。
このことに関してはこちらの記事で紹介しています。
自分の心を振り返るには日記・カウンセリングがおすすめ
これが占い依存克服の重要なポイントは「自分の心を振り返る」ということをお話ししました。
しかし、普通の人は意識して自分の心を振り返ることはしません。
具体的にどうやって自分の心を振り返れば良いの?
という疑問も湧いてくると思います。
わたしは、日記やカウンセリングをおすすめしています。
人は、考えることのうち9割が無意識で、1割だけ意識できるという説があります。
自分が普段何を考えているか?どう感じているか?どんな価値観を持っているか?
実はほとんどの人がよくわかっていないんです。
この1週間、一回でも自分の感情をちゃんと言葉にしてみたことはありますか?
あるという方は素敵ですね!
ないという方はきっと日記を書いてみると驚くと思いますよ。
紙とペンを用意して、思ったことをツラツラ書いていくだけでも発見があります。
カウンセリングも日記と同じように、自分の心を見つめる作業です。
日記より優れいてる点は
- カウンセラーが傾聴、共感してくれる(心の交流がある)
- 自分の偏った考え方に気付きやすい
- 問題を整理するスピードが日記よりも早い
といった点があります。
わたしもカウンセリングをしています。
特に、占い依存の方に「自分で決めること」ができるようになることを目標としてセッションを行っています。
自分が本当にやりたかったこと、占いで解決したかった悩みを、自分自身の手で叶えていきませんか?
カウンセリングの詳細は以下の記事をごらんください。
まとめ
占い依存とは何か?というテーマについてお話ししてきました。
占い依存とは、下記のような状態です。
占いで目の前の不安を和らげることができつつも
長期的には害となる(生活に支障が出たり、最終的に気分が落ち込んでしまう)ような状態
そして、占い依存を克服するためには、
自分を振り返ること、占いではなく自分がどうしたいかということを考えることが大切だということをお話ししてきました。
自分の心を振り返るには、
- 日記をつける
- カウンセリングを受ける
これらが効果的です。
みなさまの参考になれば幸いです。